卒論の継承 [ゼミ・教育]
学科の卒論ないしは概要を学科のWebサイトにアップするかどうかということ。
同じ学科の別の先生は、前の学年の卒論をアップすると、次の学年の学生は、卒論はこういうのでいいんだ、と思ってしまって、よくない影響があり得るのでアップしない、とおっしゃっていた。
しかし、僕のところでは、むしろ、卒論を次の学年のゼミ生に読んでもらいたいと思っている。もちろん、今の卒論がモデルになるというのではないが、みんなそれなりに努力をしてきたし、出来もいいが、それだけではない。同じゼミなので、勉強の方向性はほぼ同じであり、当然、卒論のテーマも似たものが出てくる。そこで、似たテーマの人は、以前の卒論を基礎にして、あるいはその到達点からさらに歩を進めることができる。前の学年のゼミ生ががんばって到達し、倒れた地点から、次の学年の学生は研究を始めることができる。そうすることで、徐々にゼミのレヴェルは向上していく。ということを期待している。
実際、授業内容に関して言えば、4年生が卒論で取り組んでいるテーマを、次の3年生の授業に取り入れ、4年生が卒論を仕上げる頃には、その基本的な部分は3年生の授業でこなしている、というようにしている。こうすることで、3年生は、授業内容に関しても、1年前よりももっと進んだレヴェルに立って卒論・卒研を始めることができるようにしているのである。それが授業内容だけではなく、ゼミ生それぞれが先輩の歩んだ道を辿り直すことなく、その到達点から先に進める、というのは、とてもいいことだと思う。
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