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文系のレポート・論文を書くためのXML [XML]

 以前「XMLで文系論文作成を支援する。」で簡単に書いたことの続き。

 昨年度の卒論で、TeXで書いた文系のレポートや論文を、HTMLに変換するツールを作成した学生が二人いた。標準のTeXを使っている限りにおいては、それはよく機能した。ただ、パッケージを読み込んだり、独自のマクロを定義したりしたら、対応できなかった。

 そこで、少し戦略を変えて、ソースを生のLaTeXで用意するのではなく、文系の論文・レポート用に必要にして十分な構造を備えたXMLを設計し、そこからXSLTを使ってpLaTeXのソースとHTMLとに変換するようにしたらいいのではないかと考えた。

 最初から、論文・レポートを書くための構造を定義しておけば、それに対応した変換のみをサポートすればいいので、例外的なことやユーザーの様々な環境や意図を考える必要がないのだ。しかし、もちろん、そのXMLの設計は、通常の要求には必要にして十分なだけの要素を提供しておかなければならない。この設計こそが、このプロジェクトの成否の大部分を決定する。あるいはこのプロジェクトの本質は、変換のためのプログラムをすることではなく、このXMLの設計にある。

 ではどのような手順で考えたらいいだろうか。

 これは二つの方面から同時に詰めていかなければならない。

  1. pLaTeXとXHTML+CSSで、対応するデザイン・構造要素をリストアップする。基本的には両者に対応するものがあるものが第一候補だが、一方にしかなくても、他方でおかしくない程度の書き換えができるのであれば、それもリストアップする。これは第二候補である。
  2. 文系の論文やレポートの構造で必要なものは何か、を調べる。たとえば、章分けとか、箇条書きとか、注とか、もちろん、相互参照や文献表、目次、柱、引用、など。この段階では、デザインではなく、意味的な構造を抽出するようにする。

 昨年度も同じようなステップを踏んだが、徹底したものではなかった。特に第二の点は、既存の印刷された論文を見ていては、よく分からない。実際にTeXなどで書かれだ論文・レポートを見る必要があるが、余りたくさん種類がない。したがって、ここでは、取り敢えず1の方から始め、取り敢えず動くものを設計し、そこでそれを使って、具体的な論文やレポートを作成して拡張の可能性を探る、という手順で進めるのがいいだろう。

 現段階で感じをつかむために、LaTeXで書かれた文書をXMLで書き直すようなことをしてみた。ちょっとやっただけでも、様々な設計の可能性があることが分かる。特に要素にするのか属性にするのか、という点は大きい。そういう具体例・試作品をいくつも作って、そこからXMLの設計を抽象していくようにすればいい。

 昨年度の卒論は、Web上で参照できるので、それを出発点にするのは、「卒論の継承」の項で書いた。

 XMLによるドキュメント作成については、既にDocBook、SmartDocなどがあるので、特に後者の機能も参考にしなければならない。


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