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大学生と社会人 [ゼミ・教育]

大学生と社会人はどのように違うのだろうか。もちろん、違いはたくさんあるし、どういう視点で取り上げるかによって、その違いのとらえ方も変わってくる。僕自身、大学の中にいるので、大学生ではないが、果たして社会人(社会で仕事をしている人)と言っていいかどうかは分からない。それにしても、たぶん、社会人からしたら大学生はこう見えるだろう、と想像してみることはできる。

 大学生と社会人が出会う、最初の場は就活だろう。次は大学生が入社したとき。その前に消費者として社会人に接している。が、大学生が消費者として接する企業というのは、非常に限られている。このことは別の問題を引き起こす。脇道に逸れるが、大学生が就活する場合、これまで身近に見たことのある企業を選択する傾向が強い。大学生の目に触れない企業は人気がない。しかし、大学生の狭い経験から職業の選択肢を考えると、きっと身近に接するものをまず最初に考えてしまうだろう。もしかしたら、就活を続けていくうちに、目立たないがきちんとした仕事をしている企業にも目を向けるようになるかもしれないが、そして、そうすることで内定ももらいやすくなるが、まだ内定をもらえていない人は、この辺りに無頓着なのではないだろうか。

 というのは大学生からみた社会人の見え方であるが、逆に社会人は就活をしにきた大学生をどのように見るだろうか。

  1. まず、大学生は責任感に乏しい。何か任されたことを責任をもってきちんと最後までやり遂げられない。やらされることについては真剣さに欠ける。社会人は、大抵の仕事はやらされるものだが、これを責任をもってやり遂げなければ、上司や会社、そして社会からひどい評価を受ける。
  2. 社会人よりも遊び時間が多い。よく遊ぶ。社会人は、週に1日程度休息の時間がある程度であり、あとはせいぜい息抜き程度だが、大学生は休みの日が多く、一日の時間でも、勉強以外に費やす時間が多い。
  3. これは責任感が希薄であることとも関連するが、いろいろな理由で欠席することが多い。社会人は滅多なことでは会社を休まない。

総じてこれは、「学生気分」と言われるようなものだろう。

 もちろん、大学生は社会人と違うのは当たり前で、同じにする必要はないし、社会人になれば、きちんと責任をもってやるようになるし、遊ぶこともできなくなのだから、せめて大学生でいる間は、もっとゆったり行きたい、という意見もあるのは百も承知だ。

 しかし、就活の場では、そのような学生気分は、どれぼど隠しても大人には直ぐに、ばれてしまう。要は、上に挙げたような学生気分を清算し、真剣に大学での研究に打ち込むことが必要なのだ。

 一人の社会人が一つの仕事を任されたとき、それを自分の責任で最後まできちんとやり遂げなければならない。同様に学生も、たとえば卒論を、任された仕事として、きちんと自分の責任のもとに最後までやり遂げてみよう。

 また仕事は一日最低8時間労働だが、大学生も、勉強について毎日、最低8時間を費やすようにしよう。そして休憩以外には休まないようにしよう。それだけで、きちんとした卒論を書くための素地が出来上がるだろう。もちろん、他の勉強も含めてだが。

 自分の一日、ないしは一週間の時間配分をもう一度見直してみよう。遊びにシフトしていないだろうか。そんなに遊んでいる社会人がいるだろうか。夏休みがあるのが当然の社会人はいるだろうか。学生気分で行動する社会人がいたら、その人は遠からず首にされるだろう。大学生は、高校生でも、中学生でもない。大学で何を学び、どういう行動をとるかは全てその人の自己責任で行われる。何もしないですますことも簡単にできる。自分の行動のパターンが社会人と比べてどうであるかを真剣に考えて生きてみよう。大変かもしれないが、その大変さと引き替えに、充実した人生を手に入れることができるに違いない。


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コメント 6

<う>

 内容として,学生になくて社会人にある責任感をもつべきだということは納得はできるのですが,逆に社会人になくて学生にあるものへの言及がないと話としてにわかに首肯しかねるところがあります。
 社会人10年目ぐらいの人を見ていると(この先変化していくのかもしれないことと,当該社会人の会社が多少家庭的(というか閉鎖的)であること,私が見ている例はレベルが低いのかもしれないことを留保していえば)非常に物事の根底にある見方がぶれない気がします。もっといえば,会社色に染まっていて発想が表面的には柔軟でも,根本的に自己の価値観を反省することが少ないように感じます。

 勉強以外に費やす時間というものが多いということは,それがすなわち無駄というわけではないでしょう。ただ,勉強以外に費やす時間があるのに,その時間を有意義(これもかなり多義的である)ではない・社会人になってからでは最早できないことをするチャンスなのに,単なる空白になっていることこそが問題なのではないのでしょうか。
by <う> (2005-07-24 12:20) 

yfukuda

> <う>さん
たびたびコメントありがとうございます。

 なかなか難しいですね。個々の学生や個々の社会人を見ていると、それぞれ問題点があったり、立派だったりしてしまいますが、全体的に見たらやはり学生と社会人の落差はあるように思います。それが何でなのか、考えてみたかったのです。

 責任感も含めて、学生には社会人にある「厳しさ」が足りないというのが、大まかな印象でしょうか。

 僕の立場から言えば、やはり勉強・学問にしっかり取り組んでほしいと思います。やらされるのではなく、単位のためでもなく。そうでないと、結局何も残らない(授業を受けたという記憶以外には、)のではないかと思います。
by yfukuda (2005-07-24 14:06) 

<う>

 こちらこそ,ご丁寧にお答え頂き痛み入ります。

 ただ,社会人と学生の違いは,社会人と学生の属性の問題なのでしょうか。私は,社会人として「金をもらう」「雇用者からのプレッシャーを受ける」から,「厳しい」のではないかと思うときがあります。換言すれば,もしも,社会人と学生の属性の違いだとするのならば,「金をもらう」「雇用者からのプレッシャーを受ける」という条件がつかなくても,社会人は「厳しく」なければならないところ,必ずしもそうは思えないからです。(私はそうあって欲しいと思う。)

 逆に言えば,学生が勉強・学問にしっかり取り組んでくれないのは,社会人のような「金をもらう」「雇用者からのプレッシャーを受ける」という条件がない………学問に真面目に取り組んでも目に見えた利益がない(就職等で考慮の余地が少ない,自分の中に真面目に取り組めば「何かが残る」という確信がない)し,取り組まなくても怒られないということではないかと思います。

 その意味では,このBLOGでよく卒論に関して真面目に取り組むことで何が自分に残るのかということを書かれていますが,(それを心底,信じてもらえるのならば)学生の側のインセンティブになり,教師も歯がゆい思いをしなくなるのかもしれませんね。
by <う> (2005-07-24 14:33) 

yfukuda

そうですね。社会人が社会人であるだけで素晴らしいわけではなく、そうせざるを得ないからそうしている、ということなのでしょうし、そのような条件が学生にないから、そうしない、と考えた方が良さそうですね。学生は大部分社会人になるわけでは、彼らも何年後かには、そうせざるを得ない社会人に連続的に変化していくわけですから、彼らの側からすれば、それで十分なのかもしれません。「社会に出たら、ちゃんとするよ、だから今のうちは遊ばせて」と考えているのかもしれません。
by yfukuda (2005-07-25 01:25) 

<う>

 蒸し返すようで悪いのですが,これらのいわゆる「学生気分」の問題は,他者という拘束を得ないが故に,視野が狭い(浅い)ということではないのでしょうか。

 他者の制約を受けないで「自由に」何かをするということは,とても良いように見えて単なる独りよがりなものになりがちです。そして,もっと重要なことはその「自由」な状態では決して自分が心の奥底で欲しいと望んでいるものは取得できないことではないかと思います。たとえば,難しいゲームがとけないときに,ゲームを解きたいからといって,ゲームで無敵にする裏技をもってきてしまうと,ゲームを解くという目的が達成できたにもかかわらず,結局,不完全燃焼な感じが残るでしょう。実のところ,ゲームを解くというのは最終目標ではなく,もっとカタルシスを得るというのが最終目標であって,それは一種の不自由をもってしか得られないはずです。

 同様に,学生は自分の好きなように(無責任に)振る舞えるが,他人に対して責任をもつという不自由の中で行動し,いかにすれば人が認めてくれるかを考えながら「不自由に」行動することによって,実は表面的報酬よりも大きな何かを得ることができるように思うのは問題を拡大しすぎでしょうかね。
 逆に言えば,社会人もそのような「不自由」を,何か表面的報酬以上のものに昇華させられるよう努力しなければならないのでしょうが……それは,なかなか持って難しい課題だとおもいます。
by <う> (2005-07-31 17:16) 

yfukuda

うーむ。僕には問題が難しすぎるようです。正直なところ、僕自身が普通の社会人をやったことがないので、その点での僕の意見は、社会人を単純化しすぎているのだと思います。

 で、僕にとって問題なのは、社会人ではなく、目の前にいる学生であり、その現象面で、困ったことだ、と思っていることを書いているので、より広い視点で捉えられてはいません。

 ですので、残念ながら、<う>のご意見について、お答えできるような準備が、僕にはまだありません。すみません。
by yfukuda (2005-07-31 21:10) 

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