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小さい企業でも需要はある。 [ゼミ・教育]

 大学四年生の就活の成果はどうだろうか。そろそろ内定をもらえる時期だろう。しかし、今日ここで僕が書こうと思うのは、内定がまだ取れずに焦っている人たちについてだ。

 試験や面接で落ち続けている人は、もしかしたら、有名企業ばかりにエントリーしている人はいないだろうか。大学生の経験から企業を考えたとき、まず頭に浮かぶのは、当然、自分の生活で目につく企業であり、それはたいてい大企業である。そういうところで働いてみたい、という夢もある。

 大きい企業に向かう理由は他にもある。大きい企業は採用人数が多いので、自分が通る可能性も大きいのではないか。あるいは、寄らば大樹で、将来を考えた場合、安定した会社の方がよく、大企業なら安心だ。営業所が各所にあるので、自宅から近いところに通える可能性が大きい。などなど。

 だが、今の世の中、ずっと一つの企業でやっていけるのだろうか。特にコンピュータ関連の仕事ならなおさらだ。(これは僕の所属する人文情報学科の学生を念頭に置いているので、IT関係の就職先の話になっている。)変転の激しいこの業界は、むしろ、会社で技術やノウハウ、人脈などを身に付け、それなりの能力を身に付けたときには別の勤め先に移ることも、最初から視野に入れておいた方がいい。

 前に「小さい会社がいい」という記事を書いた。それにもう少し付け加えておきたい。

 世の中には中小の企業が山のようにある。そういうところは、大手と違って専門の情報処理の要員を置いておけないし、発注にお金をかけるわけにも行かない。それでもこれからコンピュータ処理は、インターネットを始め、どんどん浸透してくる。そういう需要は決してなくならないどころか、今後は増えていくだろう。しかし、それは大手のソフト会社に依頼することはできない。小さいところの必要なことに対応したようなことはなかなかやってもらえないし、お金もかかる。

 そういう企業のIT関係の需要を処理するのは、これは小さい情報関係企業、あるいは個人でやっているような会社なのだ。そういうところは、中小企業が必要としているようなIT導入を、それぞれの必要に応じて対応してくれる(と期待される)。この需要は決して減るものではない。そういう地道なサービスは、むしろ、個々の現場に密着した作業になるので、非常におもしろい。小さいソフト会社なら、一つのプロジェクトを少人数で処理するので、一人の人が様々な役割を担うことになり、オールランドな経験を積むことが出来る。小さくても、そういうソフト会社は儲かるので、給料はいいだろう(これは憶測。確認はしていない。)。

 総勢50人以下の企業で、そういうおもしろそうな会社を探すのがいい。小さくても、しっかりした会社に目を向けてみよう。大手に行っても何もおもしろいことはない。小さいところに行って、一つ一つのプロジェクトに大きな役割を果たし、様々な技術を身に付け、そして独立する、こんな夢を持つのもいいのではないだろうか。

 そんなことを考えていたら、今日の朝日新聞夕刊に「1円起業の人々」という連載があった。その中でホームページ制作会社を立ち上げた31才の人の話が載っていた。その人は務めていた会社が、効率優先に走り、

短い納期、少ない予算で数をこなすよう求められ、疲れ果てて退職した。勤めを変え、自分の人脈で仕事が取れると分かったことで、「会社にいる意味はもうない」と脱サラを決めた。
昨年10月、資本金10万円でホームページ制作会社の「ウェブラボ」をつくった。取引先の会社や工場を自分の目でみたうえでホームページの構成を決める作業に1ヶ月はかける。手間はかかるが、「よい仕事をした実績が次の受注につながる。こんな仕事がしたかった」。
起業から半年たった3月には300万円への増資を果たして、最低資本金の特例から「卒業」した。(朝日新聞2005年5月13日夕刊)

まさに、上に僕が薦めた生き方をそのまま実践したような人だ。こういう道もあることを忘れないでほしい。


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