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自分の名前をブランドに [雑感]

 個人情報保護法案が施行され、さまざまなところで、個人情報についての取り扱いに関する表示を見掛けるようになった。2、3日前の朝日新聞では、この法案のおかけで、社内報などに新入社員の情報などを載せづらくなった、一方、各部署では、それら社員の情報をみんなで共有することで、親睦を深め組織としての会社の一体感を作り出すことができる、と主張するという。

 この法案の元々の趣旨は、個人情報は危険だから公開すべきではない、ということではなく、人の個人情報を、当人の知らないうちに勝手に公開してはならない、という法案なのだろう(内容を知っているわけではなく、その経緯や名称からの推測だから、鵜呑みにしてはいけないよ。)。ネット上での個人情報の開示にどの程度の危険があるのか、はこの法案とは別の話だと思う。

 個人情報と言っても、もちろん、公開してもいい情報もあれば、公開できない情報もある。例えば、銀行口座やクレジットカードの番号などは、もちろん公開していいはずはない個人情報だ。それは当たり前だ、と言ってはならない。これも個人情報であり、であるとすれば、公開することが危険かどうかが問われていいものの一つだということになる。

 それに比べて、名前はどうだろうか。もし、犯罪を犯した人間ならば、その名前を公開することはためらわれるだろう。もちろん、犯罪を犯そうとしている人間も、本名を公開することはないだろう。たぶん、名前を公開できるかどうかは、その人がネット上で何をしているか、にかかっているのではないだろうか。つまり、名前そのものよりも、ネット上で発信している内容が、そもそも特定の人間に結びつけられるのが困るようなことを書いているとすれば、名前は公開できないのではないか。一方、それが正統な内容であり、しかも伝えるべきものを伝えているのであれば、名前をそこに記すことに問題はないように思われる。

 掲示板で本名を書かずに発言することと、本名で発言することとでは、大きな違いがある。本名を書かなければ、無責任な発言、他人あるいは誰かを装った発言をすることができる。少なくとも気楽な発言をする傾向にある。一方、本名で書き込むとすれば、無責任な発言はできない、あるいは自分の発言に対して責任を持つ必要が出てくる。

 ネット上で何かをする、というのは、他の人、あるいは社会に対して、自分の何かを表現し発表し、訴えることだ。その表現に責任を持つためには、やはり本名で情報の発信をするのが好ましいのではないかと思う。本名で発言しても問題のない有り様をネット上でもすべきではないかと思う。その上で、匿名希望の投書もあり得るのだし、その匿名にせざるを得ない理由も納得のいくものとなるのである。だれもかれもが、何もかも匿名にしてしまっては、本当に匿名希望にする理由のある情報との違いもなくなってしまうに違いない。

 ブログはたいてい本名では書かれない(僕は本名で書いているし、ネット上で、本名以外ではほとんど活動していないが。)。これはもともと個人の日記を公開するところから始められ、そもそも日記は公開すべきものではないことから、匿名性の高いツールであることは分かる。しかし、それが自己を表現し、情報を発信する一般的なツールになった今、それを日記の延長で匿名であり続けるのではなく、自分の名前をブランドにまで仕立てるだけの表現手段として捉えるたらいいのではないかと思う。


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