日本語スクリプト言語wythonは今、 [wython]
一時、かなりのところまで作ったwythonだが、しばらく中断してしまった。今月中は忙しいので、実際にはまだ取りかかれないが、これから何をしたらいいかを考えておこう。
今年の四年生の卒論には、wythonと関連するテーマがいくつかある。まず、初歩の人のためのプログラミング言語としては、どのような機能が必要かを考えている学生がいる。これはwythonの仕様を考えるための客観的な基準になる。
次に、擬似コードを利用したPythonの入門教材を作っている学生がいる。擬似コードとは言うが、実際にはwythonを使う。ただし、これは動くwythonである必要はない。wython風の言語を拡張して擬似コードとして使いながら、サンプルコードを解説し、それをPythonに書き直す形で教材を作る。
それから、日本語プログラミング言語として、コンパイラを作成しようとしている学生がいる。コンパイラといっても、機械語に直すわけではなく、wython と同様にPythonに直すわけだが、作り方が僕のものとは異なる。コンパイラの作成技法に忠実に、yaccとlex(にあたるツール)を使って、字句解析、構文解析をしながら、Pythonに変換していく。言語仕様は必ずしもwythonそのままであるわけでなく、wythonを参考にしながら、lexやyaccで処理できるような日本語プログラミング言語を目指す。その場合、他の日本語プログラミング言語の日本語仕様も比較対象にする。
これらの研究成果をまって、最終的に仕上げることになる。特に仕様に関しては、以上の研究は、wythonの試金石になるだろう。
それから、夏休み期間中は、プログラミング演習の課題を毎週出すことにしている。Web上に解説と問題をアップし、それを解いたプログラムを送ってもらう。毎年やっているが、今年は、授業の方でのプログラミング言語として、Javaを使ったので、Pythonを勉強できなかった。そこで、この夏休みの間に前期のJavaと同程度のPythonを勉強してもらおうと思う。その際に、解説を出来る限りwythonで擬似コードを示しながら、そして僕自身は、それをwythonで解きながら書いていこうと思う。ここでwythonが初歩のPythonの導入として実用的に使えるかどうかを検証したい。
さて、wython自身について、まだ作っていないのは、一つはエラー処理。今は全くエラーを考えていない。次に、日本語の部分をもう少し柔軟にできるようにしたい。できるだけ覚えることを少なくできるように日本語の規則を考えていきたい。
変換したPythonのコードに、wythonのコードをコメントにして挿入できるようにもしたい。もちろん、wython を直接実行できるようにする、つまりPythonコードを書き出し、それを実行できるか、あるいはPythonコードを直接実行するようにしたい。
wythonの一部にPythonのコードを書いても問題がないようにもしたい。今はおおよそは可能であるが、系統的に考えて作っているわけではないので、どれだけPythonのコードを書いても問題がないように考えみたい。
もちろん、ドキュメントも必要だ。言語仕様についての分かりやすいマニュアルと、入門用のチュートリアルが必要だ。これは先ほどの夏休みの課題を作るときに一緒に考えることにする。
随分とやることがたくさんある。今年一年をかけることになりそうだ。
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