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学科をアピールする [ゼミ・教育]

 僕の大学の学科では、2年生は単純に学生番号で区切ってクラスを作って一般的な学科の研究方法を学び、3年生になって、それぞれが希望のゼミに属して卒論に向けての準備をしていく、という体制になっている(そういうところが多いだろう。)

 この2年生と3年生の間にも1年の差が見られる。大学教育というのが、どの程度効果を持っているのかは分からないが、この差を考えると、何らかの効果を学生の精神に及ぼしているようである。

 いずれの授業でも、僕はグループ学習を取り入れ、6人程度の班を作り、その中でいろいろ相談をしながら課題を調べ、それについてのプレゼンテーションを作っていく、という方法をとっている。卒論に必要な専門的な知識や技術などは他の演習などで学んでもらうことにして、これらのクラス・ゼミでは、どのようにしてデータを集め、集めたものからオリジナルな発想を導きだし、それらをどのように組み立てて、他人に対して発表するか、という技法を学んでもらおうと思っている。

 そのときの格好のテーマが、「人文情報学科をどのようにアピールするか」というテーマである。そもそも、この学科に入ってきても、学生たちはそれが何を学ぶところで、それが他とどう違い、その中で自分は何を目指したらいいか、ということが、皆目分かっていない。別に学生だけではなく、世間も分かっていないだろう。世間には、高校生やその家族、高校の先生も含まれる。それどころか、たぶん、大学でも他の学科の先生や事務方は分かっていないと思う。

 分かっていないので、大学が作成する学科紹介のパンフレットやホームページなども、それを読めば分かるようにはなっていない。学科改変の会議があっても、もしそこに人文情報学科の先生が入っていなかったら、全く理解されていないような案が出てきたりする。

 そういう中で、まずは1年と少し学科で勉強してきて、単位もとり、また科目の履修のために講義概要も読んでいる2年生に、自分たちが属している学科を、高校生向けにオープンキャンパスで説明するためのPowerPointのプレゼンテーションを作ってもらっている(ただし、これは今年度から始めたことだ。)。今の学生は、図書館で調べる、ないしはそれ以外のところに出て行って調べる、ということが苦手で、ほとんどパソコンに前に座って、ネットの検索をしている。「人文情報学科」というようなキーワードで検索をかける。

 もちろん、先に述べたように、世間はよく分かっていないから、ネットで検索してもろくな情報は出てこない。ほとんどが大学の公式の学科紹介のページしか探し当てられない。そして次の一歩が踏み出せない。そういう公式のページから抽象的な見解を引いてきたところで、結局分からないことには変わりはない。

 まだ現状では、こういうデータ集めの段階だが、次には、それを元に自分たちの意見を導き出し、そういう公式の言葉ではない、自分たちの論理で物事を考えていき、それを表現する練習になっていけばと思う。その一歩を踏み出すのはなかなか難しいのだが。

 3年生のやり方については、また明日続編を書こう。


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