SSブログ

人のためになることは率先して実行しなさい。(ダライラマ) [チベット]

 今日は、ダライラマ法王猊下70歳古稀記念祝賀パーティーがホテルオークラであった。ダライラマ法王事務所(亡命政府の日本代表機関)主催で、毎年お誕生祝賀パーティーが催されているが、今年は、日本流に古稀をお祝いする席となった。

 もちろん、法王猊下はいらっしゃらないので、日本にいるチベット人とチベットを支援する人たちが集まってお祝いする会である。だいたい、毎年同じような顔ぶれが集まる。一年に一度、何人かの知り合いのチベット人に会い、近況を尋ねるのが恒例になっている(僕は相変わらずなので、ほとんど話すことはない。)

 その最初に、ダライラマ法王事務所の日本代表が祝賀の挨拶を述べた。挨拶と言っても、さすがに仏教の国であり、しかもその宗教的指導者のお祝いなので、昔からのチベット人高僧の様々な詩を引用し、ダライラマの教えや、行動を褒め称える話であったが、最後に「簡単に法王のいつも教えておられる二つのことを引用して挨拶に代えさせて頂きます」と前置きし、「人のためになることは、どんなことでも、率先して実行しましょう。人のためにならないことでも、人を傷つけるようなことは慎みましょう。この二つの教えを日頃から法王はお説きになっています。」と紹介した。

 ん? どこかで聞いたことがあるような・・・。そうだ。僕のゼミのテーマは「人のためになるものを作る」で、どうしたら人の役に立てるのか、人の役に立つにはどういうものを作ったらいいのか、を考えよう、というものだった。そう、僕のゼミでは、このダライラマの教えを、情報処理をもとに実践することを目指しているのだった。

 どうしたら人の役に立てるのか、という視点でコンピュータのプログラムや作品を作ることを指導しているような情報学科がどこにあるだろうか。これこそが、「人文情報学科」ならではの、他に例を見ない指導方針ではないか。

 因みに、上の二つは、七仏通誡偈といって、過去七仏がみな共通にとなえた教え「諸悪莫作・衆善奉行・自浄其意・是諸仏教(諸々の悪をなすことなかれ、諸々の善を奉行せよ、自らその心を清くせよ、これ諸々の仏の教えなり)」の最初の二つの翻案だと言っていい。しかし、この「諸悪莫作・衆善奉行」の善と悪は、ほとんどの解説では単に良いことと悪いこと、善悪という意味で解釈されている。そのことはこれまでにも何度も聞いてきた。しかし、それをダライラマは、「人のためになることであれば、何でも進んで実行しなさい、人を傷つけるようなことはできるだけ控えるようにしなさい」と言い直して教えている。こうすることで、ともすると善悪を日常的な意味での善悪にとってしまって、なあんだ、当たり前のことじゃないか、と聞き流してしまう仏教の根本精神を、見事に現代に復活させていると言える。こんなことができるのは、やはりダライラマが観音菩薩の化身であり、つまり真の仏であるからに違いない。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。